コラム

ツール・ド・フランス2019 結果

マイヨ・ジョーヌ生誕100周年を迎えた記念大会として銘打たれた第106回ツール・ド・フランス。今年は史上最強のロードレーサー エディ・メルクスが初めてマイヨ・ジョーヌを勝ち取ってから50周年ということもあり、メルクスの母国ベルギーのブリュッセルがスタート地点となりました。
今年のツール・ド・フランスも激しい戦いが繰り広げられ、おそらくここ数年で最もフランスが湧いたツールとなりました。

フランス全土が期待に胸を踊らせ、さらに若きチャンピオンの誕生など話題が多かったツール・ド・フランス2019を振り返っていきましょう。

ツール・ド・フランス2019のレース結果

ツール・ド・フランス2019の全21ステージの結果を一覧で見ていきましょう。

ステージ ステージ勝者 マイヨ・ジョーヌ
1 マイク・トゥニセン(ユンボ・ヴィスマ) マイク・トゥニセン
2(TTT) ユンオ・ヴィスマ マイク・トゥニセン
3 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) ジュリアン・アラフィリップ
4 エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ) ジュリアン・アラフィリップ
5 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ) ジュリアン・アラフィリップ
6 ディラン・トゥーンス(バーレーン・メリダ) ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)
7 ディラン・フルーネヴェーヘン(ユンボ・ヴィスマ) ジュリオ・チッコーネ
8 トーマス・デ・ヘント(ロット・スーダル) ジュリアン・アラフィリップ
9 ダリル・インピー(ミッチェルトン・スコット) ジュリアン・アラフィリップ
10 ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィスマ) ジュリアン・アラフィリップ
11 カレブ・ユアン(ロット・スーダル) ジュリアン・アラフィリップ
12 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) ジュリアン・アラフィリップ
13(ITT) ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ
14 ティボー・ピノ(グルパマFDJ) ジュリアン・アラフィリップ
15 サイモン・イェーツ ジュリアン・アラフィリップ
16 カレブ・ユアン ジュリアン・アラフィリップ
17 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット) ジュリアン・アラフィリップ
18 ナイロ・キンタナ(モビスター) ジュリアン・アラフィリップ
19 悪天候のためステージ途中でキャンセル エガン・ベルナル(チーム・イネオス)
20 ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ) エガン・ベルナル
21 カレブ・ユアン エガン・ベルナル

終わってみれば、カレブ・ユアンのステージ3勝を含む計4勝を挙げたロット・スーダル、スプリンターにクライマー、パンチャーなどそれぞれの役割の選手が躍動し4勝を挙げたユンボ・ヴィスマ、驚きの活躍を見せたアラフィリップのステージ2勝を含む計3勝を挙げたドゥクーニンク・クイックステップが結果を残しました。

そして、チーム・イネオスはブラッドリー・ウィギンス(2012年)、クリス・フルーム(2013,2015,2016,2017)、ゲラント・トーマス(2018)に次ぐチャンピオンを生み出しました。これでチーム・イネオスは5年連続でマイヨ・ジョーヌを獲得、22歳という史上3番目に若い年齢で頂点にたったエガン・ベルナルはコロンビア人として初となるマイヨ・ジョーヌという快挙も成し遂げました。

そして、何よりもフランスを大いに盛り上げたティボー・ピノ、アラフィリップの2人。

さまざまなドラマが巻き起こったツール・ド・フランス2019を序盤戦から詳しく見ていきましょう。

ツール・ド・フランス2019のハイライト

ツール・ド・フランス2019はエディ・メルクスがツールで初優勝を遂げてから50周年ということもあり、ベルギーのブリュッセルで幕を開けました。第1ステージでは、そんなメルクスを祝うかのように、同国出身のヴァン・アーヴェルマート(CCC)が逃げに加わり大会を盛り上げました。
第1ステージでは、スプリンター同士の争いになるかと思いきや、ステージを獲ったのは、ユンボ・ヴィスマのフルーネヴェーヘンではなく、チームメイトのマイク・トゥニセンでした。
ユンボ・ヴィスマの勢いは止まらず、続く第2ステージのTTTでも圧倒的な速さを披露。チーム全体の好調ぶりをアピールしました。

そして、第3ステージ、早くも山岳が織り交ぜられたコースでアラフィリップが躍動。集団から飛び出すアタックによってステージ優勝&マイヨ・ジョーヌ獲得を成し遂げます。

その後、ペーター・サガンやヴィヴィアーニ、フルーネヴェーヘンといった実力のあるスプリンターたちが勝利を納めていきます。

サガン ハルクポーズ

ツール中盤までマイヨ・ジョーヌをキープしていたフランス人のアラフィリップ。自身は総合系のライダーではないため、どこまでマイヨ・ジョーヌをキープできるかわからないながらも決して上りが苦手なわけではありません。
マイヨ・ジョーヌマジックにも助けられ、ツール中盤のピレネー山脈でもプロトンに食らいつき、第13ステージのITTではゲラント・トーマスを退けステージ優勝となります。

アラフィリップ TT勝利

アラフィリップがここまでの活躍を見せるのは誰にも予想できませんでした。
さらに、第14ステージで勝利を挙げたティボー・ピノも総合上位につけており、1985年のベルナール・イノー以来34年ぶりとなるフランス人のツール・ド・フランス制覇が現実味を帯びてきました。

ピノーの勝利を見つめるマディオ監督

残すは第18,19,20のアルプス三連戦。ここでのレース次第でマイヨ・ジョーヌ決着がつくという展開です。

第18ステージでは最後の山脈でアラフィリップが集団から遅れをとるものの、驚異のダンヒルで集団に復帰、タイム差をキープしてレースを終えます。

しかし、第19ステージに波乱が待っています。まず、ティボー・ピノが筋肉系のトラブルで序盤早々にリタイア。リタイアを決めた瞬間に号泣していた姿が見る人の涙を誘いました。

ピノーリタイア

さらに、アラフィリップがイズラン峠で脱落。イズラン峠頂上から先の悪天候によって、コースが途中でキャンセルとなり、イズラン峠の到着タイムがレース結果に反映されることとなり、エガン・ベルナルにマイヨ・ジョーヌが渡ります。

イズラン峠をベルナルが通過

第20ステージは悪天候の影響で短縮となりました。ベルナルはそのままリードを守り切りコロンビア人初となるツール・ド・フランス優勝を達成します。

エガン・ベルナル

まとめ

フランスが長らく夢に見てきたフランス人ライダーによるマイヨ・ジョーヌ獲得にあと一歩まで迫ったアラフィリピップ、そして、成長を遂げながらも無念のリタイアとなったティボー・ピノ。
そして、22歳の若さでチャンピオンとなったエガン・ベルナル。史上稀に見る大会となった2019年第106回ツール・ド・フランス。
波乱万丈の大会となりましたが、今後自転車ロードレース界がどのような勢力図になるのか注目です。

最終成績

マイヨ・ジョーヌ エガン・ベルナル
マイヨ・ヴェール ペテル・サガン
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ ロメン・バルデ
マイヨ・ブラン エガン・ベルナル

総合順位

順位 選手 タイム
1 エガン・ベルナル 00’00
2 ゲラント・トーマス +01’11
3 ステフェン・クライスヴァイク +01’31
4 エヌマエル・ブッフマン +01’56
5 ジュリアン・アラフィリップ +04’05
6 ミケル・ランダ +04’23
7 リゴベルト・ウラン +05’15
8 ナイロ・キンタナ +05’30
9 アレハンドロ・バルベルデ +06’12
10 ワレン・バルギル +07’32

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