コラム

白熱のジロ・デ・イタリア2019!
マリア・ローザ輝いたのはまさかの選手!

1年で最初に行われるグランツール「ジロ・デ・イタリア」。2019年大会も6月3日に全ステージを終えました。例年ながら激しい戦いが繰り広げられる中で、総合優勝「マリア・ローザ」に輝いたのは、誰でもが予想しなかったあの選手でした。
今回は終わったばかりの「ジロ・デ・イタリア2019」のハイライトをまとめていきます。

ジロ・デ・イタリア2019の成績一覧

まずは、ざっとジロ・デ・イタリア2019の成績を一覧でみていきましょう。

ステージ ステージ優勝 総合優勝(マリア・ローザ) ポイント賞(マリア・チクラミーノ) 山岳賞(マリア・アッズーラ) 新人賞(マリア・ビアンカ)
1 プリモシュ・ログリッチェ プリモシュ・ログリッチェ プリモシュ・ログリッチェ ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
2 パスカル・アッカーマン プリモシュ・ログリッチェ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
3 フェルナンド・ガビリア プリモシュ・ログリッチェ フェルナンド・ガビリア ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
4 リカルド・カラパス プリモシュ・ログリッチェ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
5 パスカル・アッカーマン プリモシュ・ログリッチェ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
6 ファウスト・マスナーダ ヴァレリオ・コンティ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ジョヴァンニ・カルボーニ
7 ペッロ・ビルバオ ヴァレリオ・コンティ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ジョヴァンニ・カルボーニ
8 カレブ・ユアン ヴァレリオ・コンティ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ジョヴァンニ・カルボーニ
9 プリモシュ・ログリッチェ ヴァレリオ・コンティ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ナンス・ペテルス
10 アルノー・デマール ヴァレリオ・コンティ パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ナンス・ペテルス
11 カレブ・ユアン ヴァレリオ・コンティ アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ ナンス・ペテルス
12 チェーザレ・ベネデッティ ヤン・ポランツ アルノー・デマール ジャンルカ・ブランビッラ パヴェル・シヴァコフ
13 イルヌール・ザカリン ヤン・ポランツ アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ パヴェル・シヴァコフ
14 リカルド・カラパス リカルド・カラパス アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ パヴェル・シヴァコフ
15 ダリオ・カタルド リカルド・カラパス アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ パヴェル・シヴァコフ
16 ジュリオ・チッコーネ リカルド・カラパス アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
17 ナンス・ペテルス リカルド・カラパス アルノー・デマール ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
18 ダミアーノ・チーマ リカルド・カラパス パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
19 エステバン・チャベス リカルド・カラパス パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
20 ペロ・ビルバオ リカルド・カラパス パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
21 チャド・ヘイガ リカルド・カラパス パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス
最終成績 リカルド・カラパス パスカル・アッカーマン ジュリオ・チッコーネ ミゲル・アンヘル・ロペス

マリア・ローザに輝いたのは、チーム・モビスターのリカルド・カラパスでした。モビスターはミケル・ランダをエーズに起用したメンバー構成となっていました。第14ステージの難関山岳を逃げ切ったカラパスが総合争いで首位に立ち、そのリードを最後まで守りきった結果になりました。
スプリント賞の「マリア・チクラミーノ」は、スプリンター勢が続々とレースをさる中、21日間を走り切り、ステージ2勝を獲得した若手ドイツ人スプリンター、パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)が勝ち取りました。
山岳賞のマリア・アッズーラは、トレックセガフレードのジュリオ・チッコーネが体感全体を通じてジャージを守る盤石な走りを披露。
新人賞のマリア・ビアンカ争いはミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)とパヴェル・シヴァコフ(チーム・イネオス)との争いになりましたが、最終的にミゲル・アンヘル・ロペスが勝ち取りました。

最終的な総合順位はこのようになっています。

順位 選手名 タイム差
1 リカルド・カラパス
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ 1分5秒
3 プリモシュ・ログリッチェ 2分30秒
4 ミケル・ランダ 2分38秒
5 バウケ・モレマ 5分43秒
6 ラファル・マイカ 6分56秒
7 ミゲル・アンヘル・ロペス 7分26秒
8 サイモン・イェーツ 7分49秒
9 パヴェル・シヴァコフ 8分56秒
10 イルヌール・ザカリン 12分14秒

3週間通じて安定した走りを見せたヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が総合2位、前半絶好調だったもののアシスト不足や第15ステージの下りでの落車が響き、後半戦でタイムを落としたプリモシュ・ログリッチェ(ユンボ・ヴィスマ)が第3位と表彰台を勝ち取りました。
モビスターのエースとして望んだミケル・ランダでしたが、チームメイトのカラパスの予想外の活躍によって、チームの走りに徹し、一時は表彰台目前だったが、最終ステージのTTでタイムを失い総合4位となりました。
また、チーム・イネオスの若手ロシア人ライダー、パヴェル・シヴァコフが総合9位に走る大健闘を見せています。

大波乱の前半戦と予想外の強さを見せたカラパス

ジロ・デ・イタリア2019は、前半戦に平坦ステージ、後半戦に山岳ステージというかなり極端なステージ構成となっており、前半戦を終えてスプリンターがレースを去るなども頻発しました。
前半戦で衝撃的だったのが、トム・ドュムラン(サンウェブ)のリタイアです。第4ステージの残り6km地点で起きた落車に巻き込まれ大きくタイムを失うと、怪我の影響で早々にリタイアしてしまいます。 大本命がレースを去る中で、絶好調だったのがプリモシュ・ログリッチェ。第1ステージのTTでは圧倒的なタイム差でマリア・ローザを獲得。第9ステージのTTでも他を圧倒し、総合勢の中では、頭1つ抜けたパフォーマンスを見せていました。
しかし、レースの潮目が変わったのが、第14ステージです。獲得標高4000mに達する難関山岳ステージで、カラパスが独走勝利を披露。一気にマリア・ローザを獲得します。 この段階では、カラパスはアシストなので、じきに順位を落としていくことが予想されましたが、その後ステージでは、ログリッチェが落車によってタイムを失い、その他の総合勢も際立った走りを見せることなく、カラパスの驚異的な粘りが冴え渡ります。
そして、本来エースとして参戦したミケル・ランダもチームプレーに徹し、カラパスの総合1位を献身的に死守します。時に、アタックで相手を揺さぶり、ときにはカラパスを率いて走る姿が印象的でした。
最後まで、崩れることがなかったカラパスが最終日のTTでもタイム差を守り切り自身初+エクアドル人としても初となるジロ・デ・イタリア制覇を成し遂げました。若干26歳のエクアドル人クライマーのカラパスがこのレースで一気にグランツールの総合戦線に名乗りをあげた結果になりました。

日本人選手の活躍も光ったジロ・デ・イタリア2019

ジロ・デ・イタリア2019を語る上で外すことができないのが日本人選手の活躍です。
今大会では、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネから初山翔、西村大輝の2名が参加しました。 西村選手は第1ステージのTTで惜しくもタイムアウトとなってしまい残念な結果に終わりましたが、初山選手は完走を果たしました。
特筆すべきは、第3ステージです。このステージで初山選手は単独逃げを敢行。144kmにも渡る距離を一人で逃げ続け新城幸也・別府史之以来となるフーガ賞(逃げ賞)を獲得、イタリアメディアの話題を掻っさらいました。
続く、第10ステージでも2名による逃げを披露。積極的な走りを展開し、最後までタイムアウトすることなくジロ・デ・イタリア自身初出場&初完走を果たします。 初山翔は総合142位、全体でも最下位の成績でレースを終え、最下位で完走した選手に送られる「マリアネーラ」が贈呈されました。これは決して悪いジョークなどではなく、感想を果たすだけでも過酷なジロ・デ・イタリアを走りきった栄誉を讃える賞でもあります。

まとめ

今年も熱い戦いが繰り広げられたジロ・デ・イタリア2019。まさかの総合優勝と日本人選手の活躍に目が離せませんでした。ジロ・デ・イタリアの次は7月にツール・ド・フランスが待っています。 世界最大の自転車レースでどのような戦いが繰り広げられるのか楽しみですね!

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